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校長講話等

前期終業式 校長講話(令和5年9月29日)

 皆さん、おはようございます(こんばんは)。

 今日は、生活体験作文で本校代表となった皆さんへの表彰がありました。今月初めの全校集会でも多くの表彰がありましたが、さまざまなことで羽生高校の生徒の皆さんが頑張っているのは、本当に素晴らしいことです。また、生徒会の皆さんをはじめ、各クラスや部活動、有志の皆さんが、勾玉祭に向けて、それぞれの企画に取り組んでいます。そうした皆さんの姿を見ることができるのも、とても嬉しいことです。

 さて、本校は2学期制ですから、今日で前期が終わります。通知表が渡されます。結果が良かった人も、思うような成績が取れなかった人も、その原因を考えてみてください。成績の数字だけ見て終わりにしないでください。振り返って、なぜ良かったのか、なぜ悪かったのか、考えてください。

 人間は完璧ではありませんから、うまくいかないことは誰にでも山ほどあります。うまくいかなかったとき、何が悪かったのか、どこに問題があったのか、どうすればよかったのか、それを考えた人は、次に同じ間違いをしません。逆に、うまくいったときに何が良かったのかを考えなかった人は、次に同じようなことに取り組んだとき、成功する率は5分5分になるでしょう。

 前にも話したことがありますが、人間が何かを成功させようとするときの一番の近道は、良いところを伸ばすことと悪いところを直すことです。しかし、ものごとによっては、失敗をしないと、どこが悪いのかがわかりません。

 そう考えると、人間が何かを成功させるためには、ときには、失敗を経験しないといけないのかもしれません。「失敗は成功の母」という言葉がありますが、それどころではないですね。失敗は、成功の必要条件とさえ言えるでしょう。

 だから、皆さん。失敗したことで自分を責めなくていいんです。それよりも、なぜ失敗したのか、ちゃんと考えることの方がずっと大切です。取り返しのつかない間違いは、そうはありません。失敗の経験の多くは、次にうまくやるためのヒントをもらったようなものです。同じ失敗を繰り返さないよう、色々なことを、ちゃんと考えましょう。それは、失敗を成功に変えることにつながります。

 ただ、人間は、死んでしまうと失敗を成功につなげるチャンスを失ってしまいます。だからこそ、いのちは何より大切なのです。

 私が、こういう機会があるたびに「いのち」と「時間」と「決まり」の三つを大切にしてくださいと呼びかけている背景には、そんな理由もあります。限られた時間は、限られたいのちということですし、ルールやマナーやエチケットは、お互いのいのちを尊重するための仕組みのひとつです。どうか大切にしてください。

 そして、大切にするというのは、よく考えるということでもあります。どうぞ、よく考えてください。

 しかし、自分ひとりで考えていても、あるいは自分のことだけ考えていても、考えが狭いままになってしまいます。自分にできることで誰かを助けたり、誰かを手伝ったりすることで、自分の世界が広がります。自分の考えが広がります。試してみてください。

 誰かを助けたり手伝ったりするのが難しいなあ、という人は、出会った人に挨拶をしてみましょう。そうすると、ほんの少しだけ、挨拶した相手のことを考えられるようになります。

 自分の考えだけでは足りないときのために、友だちがいます。本があります。先生方がいます。ほかの大人たちがいます。困ったときは誰かに相談しましょう。助けを求めましょう。考えが広がり、考えが深くなります。考えの幅を広げてから、また考えてみましょう。

 終業式は、ひとつの節目です。何かを考えるきっかけにするには、良いかもしれません。何かを考えた人は、考えた分だけ少し成長します。何かをきちんと考えると、考えた分だけ、今年度の後半が良い日々になると思います。どうぞ、考えを深める時間を作ってください。