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1. 第53回入学式 式辞(令和5年4月10日)

投稿日時: 04/10 サイト管理者

 今年は例年よりも早く、さまざまな花が咲いています。羽生市の花である藤も、美しい紫色の房を、そこここで見かけるようになりました。このような佳き日に令和5年度埼玉県立羽生高等学校第53回入学式を挙行できますことを、校長として心から嬉しく思います。ここにお集まりの皆様をはじめ、御尽力いただいたすべての方々に、心からの感謝を申し上げます。

 さて、先ほど呼名された70名に入学を許可いたしました。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。義務教育と違って、自分の意思で高校への進学を選び入試に挑戦した結果、皆さんはここにいます。不安や迷いを乗り越えた自分に誇りを持ってください。これからは、羽生高校の生徒として一緒に学んでいきます。私たちは、皆さんを歓迎します。皆さんのこれからの努力を、応援します。

 また、新入生の皆さんを育て、支えてくださった保護者の皆様、おめでとうございます。そして、この場にはいない、新入生を今まで見守り、助け、応援してきてくださった多くの方々にも、心よりお祝いを申し上げます。

 本校は今年で創立76年目を迎えます。多くの卒業生が、ここで学んだことや体験したことを生かして、社会のあらゆる分野で活躍し、世の中を支えています。在学中の先輩の中にも、さまざまな困難を乗り越えて、ここで素晴らしい高校生活を送っている人が大勢います。新入生の皆さんも、羽生高校での学習と生活を、自分の成長のために生かしていってください。

 それでは皆さんに、これから大切にしてもらいたいもの、守ってもらいたいものについて、3つお話をします。

 一つ目は、いのち。人の命です。皆さんも、私も、大切な「命」を持っています。どんな人にも、命はひとつしかありません。平等です。この最も大切な宝は、何があっても守らなければなりません。自分の命を大事にする、ということは、自分の人生を大切にして、自分を成長させるということです。自分の命をより良く使うということにつながります。

 そして、他人の命も大事にしてください。誰かをいじめたり、誰かが頑張って成長しようとしているのを邪魔したり、何かに真剣に取り組んでいる人をからかったりするのは、他人の命を粗末にすることです。そんな人は、自分自身のことも大切にはできません。命の価値は平等ですから、どうか、自分の命も他人の命も大切にしてください。

 さて、大切にしてもらいたい二つ目のものは、時間です。どんなに立派な人の時間も、そうでない人の時間も、同じように過ぎていきます。その、誰にでも平等に与えられた時間を大切にしてください。授業でも部活動でもいい、そのときに取り組んでいる、目の前のやるべきことを大切にすることが、時間を大切にすることにつながります。

 三つ目は、決まりです。決まりごとを大切にしてください。すべての決まりには、必ず理由があります。その決まりを守ると便利になったり、得をしたりします。あるいは、その決まりを守ると誰かを傷つけずに済んだり、自分が傷つかずに済んだりします。

 若い頃には、決まりを破ることが格好良く見えてしまうことがあります。しかし、それは錯覚です。なぜ、その決まりがあるのか、理由を考えるようにしてください。もしも、その決まりがあるため、かえって不便な人や傷つく人を増やしてしまっているのなら、正しい手続きで決まりを変えましょう。決まりを破ったり壊したりする力ではなくて、誰かと協力してもっと良い決まりをつくる力、決まりをより良く変える力を手に入れましょう。そんな力を養いましょう。

 命と、時間と、決まりを大切にしてください。これが、守ってほしい3つのことです。

 さて、保護者の皆様。本校は単位制という、生徒一人ひとりの希望や生活のリズムに合わせることのできる柔軟な教育システムをとっています。しかし、これは大きな自由がある反面、大きな責任を自分自身で負わなければならないシステムでもあります。卒業するためには、自分自身をしっかり管理できることが必要です。保護者の皆様、どうか、本校の教育方針について御理解いただき、お子様の健やかな成長と卒業を実現するために、学校と連携しながらの御協力を賜りますよう、お願いいたします。我々教職員も、全力で生徒の皆さんの努力を支援いたします。

 最後に、入学生の皆さん、どうか、保護者の皆様をはじめとする、皆さんが高校で学ぶことができるように道を拓いてくれた人達に感謝の気持ちを持てるようになってください。そして、今度は皆さんが、どんな小さなことでも良いですから、誰かのために道を拓いてあげられるような力を、この羽生高校で身につけて卒業してください。皆さんが実りある高校生活を送り、大きく成長することを祈念し、式辞といたします。