令和5年度 校長あいさつ

 あなたの挑戦と努力を応援します
 ~選べる「自分の学び」のスタイル~

 

 皆さん、こんにちは。本日は、ようこそ羽生高校のホームページへお越しくださいました。 

 本校は、昭和23年の戦後の混乱期に、関係者の教育に寄せる熱い情熱と、生徒の学びに向かう意欲と力を結集して設置されました。埼玉県立不動岡高等学校羽生分校を前身としており、今年度、創立77年目を迎えます。単位制による、昼夜開講二部制の定時制高校です。 

 校訓の「友愛 自立 飛翔」を基盤として、「単位制」という一人ひとりの希望や生活リズムなどに合わせることができる教育システムを生かし、目標に向かって挑戦する生徒を支援しています。

 本校では、自分なりの「学びのスタイル」で学習環境を整えながら、高校生として学校行事や生徒会活動、部活動などにも熱意を持って取り組むことができます。ここ数年の卒業生は、進学・就職ともに、希望進路の実現について飛躍的な伸びを見せてくれています。

 また、「人生100年時代」を見据えた、地域に貢献する生涯学習機関として、特別講座や学校公開講座を開講し、地域の皆様にも積極的に御参加いただいております。 

 本校での「学び」が一人ひとりの可能性を伸ばす力となるよう、また、人として生涯にわたって学び続ける礎を築くことができるよう、教職員は一丸となって教育活動に取り組んでいます。

 あなたも、羽生高校で自分自身の「学び」に取り組み、自分を新しく成長させることに挑戦してみませんか?私たちは全力で、あなたの努力を応援します。 

 

令和6年4月1日

校長 新井 昌也

 

 

 

 

 

 

 

掲示板

校長講話等

令和6年度 第54回入学式 式辞

 

令和6年度 第54回入学式 式辞

 木々の枝先に緑の新芽が吹き、春の花々が彩を添える、この佳き日、後援会会長 上野 貴博 様、後援会副会長 岡 英明 様、新入生保護者の皆様の御臨席の下、埼玉県立羽生高等学校 第54回入学式を挙行できますことは、私ども教職員、在校生にとりましても、この上ない慶びでございます。

 また、先ほど、入学を許可いたしました69名の新入生の皆さん、保護者の皆様、御入学、誠におめでとうございます。教職員、在校生を代表して、心よりお祝いを申し上げます。

 本校は昭和23年11月に開校した、埼玉県立不動岡高等学校羽生分校を前身とし、今年で創立77年目を迎える昼夜開講型の定時制普通科の高校です。

「友愛 自立 飛翔」を校訓とし、教育目標には「知性、誠実、勤労」を掲げ、「主体的に学ぶ力と豊かな人間性を育成すること」を教育方針としています。開校以来、本校に学んだ若者は8千人を超え、広く社会の担い手として活躍されています。

 本日入学された生徒の皆さんには、これからの社会を生き抜く力を持った人間へとなるための努力を、この羽生高校で積んでほしいと願っています。

 さて、新型コロナウイルス感染症やヨーロッパおよび中東における大規模な武力紛争により、我々の社会生活は様々な影響を受けています。その一方で、世の中の流れや、私たちを取り巻く環境は、かつてないほどの速さで変化しています。

技術革新による情報通信やAIの発達に伴い、それらを利用することを前提とした社会の到来を迎えております。世の中には様々なモノや情報があふれ、より複雑化していくことが予想されます。さらに、ますますグローバル化が進み、国籍や文化を問わず、ありとあらゆる人々と協力して、目の前に立ちはだかる課題を克服していくことが求められます。

 これらのことに対応するためには、3つのことが大切だと私は考えます。

一つ目は、正しい知識を持ち、主体的に学ぶ態度を身につけることです。改正民法が施行となり、成人年齢が18歳へと引き下げられました。つまり、この場にいる生徒の皆さんは、本校在学中に成人を迎えることになります。

正しい知識は、正しい判断の基になります。間違った情報に翻弄されるのではなく、何が正しくて何が間違っているのかを自分で見極め、判断しなければなりません。また、世の中は常に変化していきます。その変化に対応できるように、積極的に学ぼうとする姿勢が大切であると考えます。

 二つ目は、この世の中には自分たちとは異なる文化や考え方があるということを理解することです。自分たちと違うからとか、考え方が合わないからという理由だけで、他者を遠ざけることはあってはならないと考えます。人は、互いに協力し合うことで今日の社会を築いてきました。互いに理解し、真に尊重しあうことで世の中はもっと住みよくなるはずです。

 三つめは、ルールを守り、マナーを身につけ、思いやりの心を持つことです。人は、世の中を秩序立てて生活していくために、法律や決まりを作りました。また、世の中を気持ちよく生活していくための知恵としてマナーを定めました。社会生活を営む上では、ルールとマナーさえ守っていれば問題はありません。しかし、人生をより豊かに送るためには、思いやりの心を持つことが大切であると考えます。自分と同じように他者を大切に思う心を持てるようにしてください。

 生徒の皆さんには、この羽生高校で高校生活に励み、その体験を通して努力することの大切さを知り、仲間と協力して何かを成し遂げたときの充実感を味わい、困難な課題にも逃げずに立ち向かう勇気を身につけてもらいたいのです。君たちに期待しています。

 結びに、保護者の皆様には、本校に対する御理解、御協力を賜りますようお願いいたしますとともに、本校の教育活動が実り多きものとなるよう、教職員一同、誠心誠意努力することをお誓いし、式辞とさせていただきます。

 

令和6年4月8日  埼玉県立羽生高等学校 校長 新井昌也

令和6年度始業式校長講話

〇改めまして、おはようございます。校長の新井です。

先ほど9名の新しい先生方を紹介しました。新しい出会いは、自分自身を成長させるチャンスでもあります。ぜひ、多くのことを学び取って自分を高めてください。

ここではまず、異動された9名の先生方について触れます。

 

(別紙)

 

〇さて、今日から令和6年度がスタートしました。始業式にあたり、君たちにやってもらいたいこと、について触れます。

 

〇皆さんにやってもらいたいこと

知ること(to know)、考えること(to think)、問うこと(to ask questions)

〇知ること

 勉強で知る、本で知る、ニュースで知る、ネットで知る、人と交流することで知る、自分を取り巻く環境や社会の仕組みを知る、など、体験や経験することで新たな情報に触れる機会がたくさんあります。特に、人間関係の作り方や社会で生活していくうえで、最低限必要なことは知っておく必要があると思います。

でも、ただ単に知っただけでは、それは自分のものになりません。

 

〇次にやることは・・・考えること

 何かを知ったら、新しい情報に触れたら、それについて自分はどう思うのか。それは正しいことなのか、悪いことなのか、自分にとっていいことなのか、自分と関係があることなのか、自分なりに考えてみること、自分なりの意見を持つこと。でも、それを分からないままにしておいたら時間の無駄だし、もったいない。

 

〇次にやることは・・・そして、問うこと

 なぜそうなっているのか、制度、決まり、ルール、大きいところでは、国と国の対立、戦争をする理由など。中には自分は興味がないから関係ない、と切り捨ててしまう人がいるかもしれません。でもそれは、とても浅はかです。なぜなら、いろんなことが少なからず関係しあっているからです。

 例えば、最近、モノの値段・物価が上がっています。会社の初任給も引き上げられています。アルバイトの最低賃金もここ数年で上がっています。なぜ、上がっているのか説明できますか?

 社会生活を送るうえで、様々な行政のサービスを受けることもできます。どんなことがあるか知っていますか?

 自分の持っている知識だけではわからないこと、考えても答えが出ないことがたくさんあります。その時は、勇気を出して問うこと、答えを求めて自分で行動することが大切です。

〇知ること、考えること、問うこと、これらはつまり大人になるために必要なことです。

 

〇日本では、18歳になると選挙権が与えられるのと同時に法律上は成人扱いになります。その準備はできていますか。いつまでも今までの子供のままでは困ります。

 

〇高校とは、大人になるための準備をするところ、正しく判断するための正しい知識を身に付けるところ、仲間と協力することの楽しさを学ぶところ、目標に向かって努力することの尊さを知るところ、高校とはそのような場所でもあると考えています。

 

今日は入学式もあります。皆さんの後輩が入学してきます。ぜひ、先輩らしさを後輩に見せてください。以上です。

令和5年度後期終業式における校長講話(令和6年3月22日)

 皆さん、おはようございます(こんばんは)。

 先ほど表彰を受けた皆さん、おめでとうございます。そして今、元気よく校歌を歌い、気持ちの良い挨拶をしてくれた皆さん、ありがとうございます。私は、皆さんの元気な挨拶の声や校歌を歌う声を聞くのが大好きなので、とても嬉しかったです。

 後期の終業式を迎えました。いつもこの時期、この場所で同じことを言いますが、皆さんにとって、この1年が、どんな小さなことでもいい、自分が成長したと思えるような、何らかの努力が実を結んだと思えるようなものであったことを祈っています。

 卒業式を終えた後は、体育館が広く感じられて、少し寂しいですね。

 成長した卒業生を送り出す側だった皆さんは、今、自分の成長について、どんなふうに考えていますか。

 皆さんに対して、いつも私は「いのちを大切にしましょう」、「時間を大切にしましょう」、「きまりを大切にしましょう」という話を続けてきました。

 成長したということは、自分のいのちがより良く伸びたあかしです。昨日の自分と今日の自分は、あまり変わらないように感じても、1年前、3年前、5年前の自分と比べると、大きく変わっているのではないでしょうか。

 成長といいいますが、小さなことでもいいんです。嫌いだったものが好きになったり、嫌だったことが、それほど嫌ではなくなったり。成長する前と後では、人は、感じ方が変わります。

 学校は、「わからなかったことが、わかるようになるところ」、「できなかったことが、できるようになるところ」、「今までつながっていなかった人や知識や物事が、つながるようになるところ」です。つまり、学ぶことで人は変わります。成長します。

 たとえ今、つらいことがある人も、成長した10年後の自分は、それを笑って振り返れるようになっているかもしれません。皆さん、いのちを大切にして、いのちが伸びることを大切にして、どうぞ、幸せになってください。

 そして、皆さんが成長するための時間。これも、大切にしてください。羽生高校の先生方は、皆さんの成長を願って、一人ひとりのここでの時間がより良いものになるように働いています。卒業式の祝辞の中でも触れましたが、先生方と皆さんが一緒に作り上げる関係性と、皆さんと一緒に過ごす時間は、簡単に、便利な何かと取り換えがきくものではない、小さくてもかけがえのない、尊いものです。

 また、成長しようとする、変化しようとする過程で、ほかの人の考えとぶつかることも、ときにはあります。それが、ひどい傷にならないように、決まりがあり、ルールがあり、マナーやエチケットがあります。これも大切にしてください。

 繰り返しになりますが、今年度の一年間が皆さんにとっての成長につながるものであったことと、来年度の、これからの一年間が、さらに実を結ぶものとなることを、祈っております。

 そして、休み明け4月8日の始業式に、皆さんの元気な顔が揃うことを願っています。

第54回卒業証書授与式における校長式辞(令和6年3月8日)

   式辞

 今朝は、春の淡雪が降りました。物理学者の中谷宇吉郎は「雪は天から送られた手紙である」と言いましたが、天も、卒業する皆さんにお祝いの手紙を送ってくれたようです。

 あちこちから梅の花だよりが聞かれる季節となりました。「梅は百花の魁(うめはひゃっかのさきがけ)」、また「梅花、雪に和して香る(ばいか、ゆきにわしてかおる)」などという言葉で讃えられる梅の花は、皆さんの旅立ちの日を祝うかのように咲いています。

 今日の佳き日、本校学校評議員の羽生市立東中学校長寺井進一郎様や本校PTA会長岡崎由紀様をはじめとした御来賓の方々をお迎えし、保護者の皆様にも御臨席いただき、埼玉県立羽生高等学校第54回卒業証書授与式を挙行できますことは、校長としてたいへん大きな慶びでございます。

 先ほど呼名された五十名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。そして、本校の教育活動に多くの御支援と御協力をお寄せくださった保護者の皆様にも、心からのお祝いと御礼とを申し上げます。

 卒業生の皆さん。皆さんは、本校の門をくぐった時期の違いや年齢の差、それぞれのアイデンティティーや言葉の違いなどを超えて、校訓のとおり「友愛」を育み、高校生活をとおして「自立」の力を養い、今日、巣立つ日、「飛翔」する日を迎えました。今は、羽生高校で過ごした思い出の一つひとつが懐かしいことと思います。私たち教職員も、人が成長する瞬間に立ち会うことができるという喜びを、皆さんのおかげでたくさん味わうことができました。それは、私たちにとっても忘れ難い大切な思い出であるとともに、皆さんが作っていく未来に対して私たちが抱く希望でもあります。

 世の中では、これからの社会は生成AIを利用したり動画配信で学んだりすることが、学校で学ぶということに置き換わっていくのではないか、とまで言われることがあります。簡単で便利なものを利用しない手はありませんから、ひょっとすると、ただ単に知識を増やすためなら、そんな時代が来るかもしれません。

 しかし、私は考えています。「先生と生徒が日常生活の中で築いていくつながりには、未来への希望とお互いへの信頼がある。特別な人間関係がある。それは、ささやかなものであったとしても、かけがえのないものであり、決して、簡単に便利な何かと置き換えられるものではない」と。それらは、ここで一緒に過ごした私たちにとって、教職員にとっても、生徒の皆さんにとっても、譲れない誇りのようなものではないでしょうか。羽生高校での日々が、そんなものであり続けることを、私は願っています。

 さて、これからの生活の中で、皆さんもさまざまな困難に直面することがあると思います。そのときは、誰かと一緒に助け合って乗り越えてください。「自立」は、一人だけで何でもできるということではありません。自分の得意なことで適切に他の人を助けたり、自分が困ったときに適切に他の人を頼ったりすることができるようになる、それが本当の自立だと私は思います。

 この中の何人かには「苦しくつらい困難は、乗り越えることさえできれば、『あのときは大変だったね』と笑って話せる思い出に変わってくれる」と、お話ししたことがあったと思います。一緒に乗り越えてくれた人は、一番笑って話せる相手になってくれます。皆さんは、たくさんの人との関わりのなかで生きているということを忘れないでください。積もる雪のような困難の中でも、枝についた仲間のつぼみと一緒に凛と咲き小鳥を呼ぶ、そんな花のようであってほしい、そう思っています。

 ところで、私はいつも「命と時間ときまりを大切にしましょう」と皆さんに呼びかけてきましたが、今日は卒業式なので、いつもと違う呼びかけをします。

 どうか、皆さん、私たち教員よりも、保護者の皆様よりも、賢く、心豊かで、幸せになってください。それは、私たちや保護者の皆様にとっての願い、希望であり、皆さんにとっての権利であり、皆さんが、皆さんの子どもたちの世代に対して背負う義務でもあります。整いませんが、この、希望と権利と義務が、皆さんへの餞(はなむけ)です。

 結びに、本校を巣立つ皆さんの今後の御活躍と、ここに御臨席いただいたすべての皆様の御健勝と御多幸とをお祈り申し上げて、式辞といたします。

   令和六年三月八日

             埼玉県立羽生高等学校長  新井 康之 

第3回学校説明会における校長挨拶(令和6年1月20日)

 おはようございます。校長の新井です。寒さ厳しい中、羽生高校の学校説明会においでいただき、ありがとうございます。

 来月の21日が学力検査です。いよいよ入試まであと1ヶ月となりました。真剣に高校進学を考えている皆さんは、今日、緊張しながらここに来たことと思います。今から、入試の本番で緊張したらどうしよう、と不安に思っている人もいることでしょう。でも、大丈夫です。緊張は誰でもするものです。緊張を味方につけましょう。緊張すると、集中力が上がります。真剣な思いで緊張している人は、第三者から見ると真面目でいい子に見えますから、印象が良くなります。

 それでも、緊張して失敗したらどうしよう、と不安になっている人に向けて、お話ししましょう。

 失敗は、誰でも、どこかで、してしまうものです。私もそうです。しかし、人生の中で取り返しのつかないことは、命を失うこと以外、めったにありません。本当に大切なのは、失敗した後にどうするかです。むしろ、失敗した後にどう行動するかで、その人の本当の価値がわかります。1月2日に起きた羽田空港での飛行機事故は、大きな失敗だったと言うこともできますが、事故の後、旅客機の乗客乗員に一人の死者も出さず避難できたことは、世界中から「奇跡だ」と称賛される結果となりましたね。 

 さて、この羽生高校に通う先輩方の多くが不登校を経験しています。ほかの高校に一度進学したものの、思うように続けることができなくて、やり直すために本校で頑張っている人もいます。また、外国にルーツを持ちながら、日本語は不自由だけれども、真剣に日々の授業に取り組んでいる人もいます。見方によっては、うまくいかなかった経験をしている人が多い、と言えるかもしれません。しかし、先輩たちは「今、学校で学ぶ」ということを、とても大切にしています。私は、そのように真剣に学んでいる皆さんの先輩たちの姿を、立派だと思っています。素晴らしいと感じています。高く評価すべきだと思っています。

 逆に、学び直すチャンスを生かさないでいる人を見ると、悲しく思います。学び直そうと頑張っている人の邪魔をしたり傷つけたりしている人を見ると、許せないと思います。

 話を、羽生高校の先輩たちのことに戻しましょう。 

 学校は学びのための場所ですから、「授業がいのち」なのはもちろんですが、部活動や生徒会活動に熱心に取り組んで、充実した学校生活を送っている先輩方もいます。勾玉祭と呼ばれる文化祭、翔羽祭と呼ばれる体育祭などの行事は、生徒を中心に運営されています。部活動では今年、ソフトテニス部が埼玉県代表として全国大会に出場し、団体戦3位、個人戦ベスト16の成績を残しました。文化部では書道部や美術部などが、県で立派な賞を受賞しています。皆さんも先輩たちに続いてもらえれば、と私は考えています。

 本校の校訓は、「友愛・自立・飛翔」の三つの言葉です。校訓のように、本校には、生徒の皆さんが成長して世の中に飛び立ってもらうための学び、「飛翔」してもらうための学びがあります。そして、学習においても生活においても、自分の希望と意思で選べる多くの『自由』があり、自由と表裏一体の『責任』があります。自由な選択と責任ある決断の積み重ねが、主体的に学ぶ力を育てます。そのようにして、「自立」する力を身につけてもらいます。そんな学校生活の中で、お互いを認め合い助け合う「友愛」も大切な校訓です。

 皆さん。どうか、受検する高校を選ぶときには、皆さん自身が皆さん自身の意思で決めてください。決断をほかの人に任せると、嫌なことや上手くいかないことがあったときに、人のせいにして逃げてしまいたくなります。自分で決めたという覚悟は、皆さんを成長させてくれますし、苦しいときに自分を支える力の一つになってくれます。

 今日は、是非、自分の目で羽生高校をじっくり見て、説明を聴いて、雰囲気を肌で感じてください。そして、皆さん一人ひとりが良い高校選びをして、入学後もしっかり学んでいくことができるよう、祈っています。羽生高校の、皆さんの努力を支える様々なシステムについて、この説明会を通じて理解していただくことを願いつつ、私からの御挨拶といたします。

全校集会(令和6年1月9日)における校長講話

  皆さん、おはようございます(こんばんは)。この集会のはじめに、1月1日の地震などで亡くなった方に黙祷(もくとう)を捧げました。それを踏まえ、私の新年の挨拶も「今年もよろしくお願いします」の一言にとどめたいと思います。

 一昨日、1月7日のニュース映像では、ボランティアの方が被災者の皆さんに温かな「七草がゆ」をふるまっている様子が映りました。「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(カブ)、すずしろ(ダイコン)」の七種類の草をおかゆに入れて1月7日に食べるのは、古くからの日本の習慣です。寒さの中でも伸びていく緑の草の生命力を分けてもらうという意味があります。いずれにせよ、命の大切さを改めて感じさせられました。

 また、1月2日には羽田空港で大きな事故がありました。残念ながら海上保安庁の方はお亡くなりになりましたが、旅客機の乗客乗員には死者がなく、世界でも大きく「奇跡だ」という報道がされていました。飛行機の機体が炎上するまでのわずかな時間を大切にし、乗員の皆さんが普段の訓練で身につけたルール通りに安全を確保して、乗客の皆さんがマナーを守って行動した、その結果です。奇跡は、一人ひとりが小さなことを積み重ねたから起こったのです。

 さて、私は12月の全校集会で、「冬休みの間に、本を読んだり、家の手伝いをしたりしましょう」と呼び掛けました。皆さん、何か心に残ったものはありましたか。

 また、新しい年の初めに、自分なりの目標や、やってみたいことを考えた人も多かったのではないかと思います。それは、とても大切な、素敵なことです。

 今年は、どんな小さなことでもいいから、10年後の自分が「あのときに、ああしておいて良かったなあ」と思ってくれるようなことをやりましょう。逆に言えば、10年後の自分に叱られるようなことをしたり、文句を言われるような怠け方をしたりするのは、やめましょう。

 今日は寒いですから、いつもの半分の長さで話を終わりにします。皆さんが10年後の自分に感謝されるような、そんな1年間が過ごせるよう祈っています。

 良い年になりますように。

全校集会(令和5年12月22日)における校長講話

 皆さん、おはようございます(こんばんは)。

 たくさんの人が、気持ちの良い挨拶を返してくれました。嬉しいものですね。

 先ほど(今朝の昼間部の集会では)、生活体験作文、ソフトテニス、書道、美術についての表彰がありました。どれも素晴らしい成果です。あと10日で令和6年、2024年がやってきますが、表彰を受けた皆さんの今年の締めくくりは、誰に対しても胸を張って誇れるものとなりましたね。そして、友達の表彰を一緒に喜んでくれた生徒の皆さんも素敵だと思います。

 では、少し考えてみましょう。何か立派なことをすることが、なぜ、その人個人のためだけでなく、周りの人にとっても素晴らしいことになるのでしょうか。理由はいろいろあるでしょうが、私が考える一つの理由としては、その立派なことが周りの人にとって身近に感じられるようになるからだ、と思います。

 多くの人は、表彰されるようなすごいことは、遠いところにいる人がしていることで、自分には関係ないように感じています。自分にはできないことだ。そう思っている人もたくさんいます。しかし、普段自分と一緒に過ごしている学校の友達がやりとげたことなら、どうでしょう。自分と同じように悩んだり苦しんだり、失敗したり笑ったりしている友達が、何か良いこと、人から誉められるようなことをするのを見ると、何となく、自分も頑張ればこの友達のように何かできるかもしれない、と思えてきます。心のエネルギーがいつもよりたくさん湧いてきて、少しだけ余計に頑張れたり挑戦できたりします。その「少しのこと」が積み重なって、すごいことになります。私は、あちこちの学校で、そんなことが起こるのを、実際に見てきました。だから、立派なことをするのは、周りの人にとっても素晴らしいことなのです。

 どんな小さなことでもいいです。皆さんが何かしら自分を誉めてあげられるような、そんなことを見つけて、この1年を締めくくれるよう祈っています。

 さて、3年前の4月から私はずっと皆さんに「いのち」と「時間」と「決まり」の3つを大切にしてほしいという話をし続けています。

 皆さんの「いのち」がより良く伸びること。それが、成長するということです。自分が成長することも、人が成長することも、尊いことです。自分の「いのち」も他人の「いのち」も大切にしてください。事故や病気の無いよう、むやみに人の心を傷つけることのないよう過ごしてください。また、残りわずかな今年と、これからやってくる来年も含めて、限られた大切な時間を大切にしてください。高校生でいられる時間はとても貴重です。そして、その貴重な時間を過ごすのですから、ルールやマナーなどの決まりを守って、お互いに気持ち良く過ごせるようにしましょう。

 それでは、これも長い休みの前にいつも私が言っていることですが、冬休みの間に本を読みましょう。家族の手伝いなどの、だれかの役に立つような良いことをしましょう。

 皆さん、どうぞ良いお年を。

 そして、1月9日の火曜日に、また元気な顔を見せてください。

翔羽祭(体育祭)開会式における校長挨拶(令和5年11月24日)

 皆さん、おはようございます。

 いい挨拶が返ってきて、嬉しいです。

 青空です。いい天気になりました。11月、冬の初めの、このような暖かい日を、小春日和(こはるびより)といいます。天候と皆さんの挨拶とが合わさって、とても気持ちのいい朝になりました。

 11月7日に予定されていた「翔羽祭(とびはねさい)」は、雨でいったん中止が決まり、体育館でのドッジボールとなりましたね。実は、「翔羽祭」には、予備日が設定されていませんでした。

 しかし、皆さんが練習に一生懸命取り組んでいる姿や、体育委員の皆さんが進んで丁寧に準備している姿を見ていた先生方が、何とかちゃんとした形で「翔羽祭」を開催できないだろうかと呼び掛けて、職員会議を経て、授業日程や計画を見直し、今日の開催を迎えることができました。

 皆さん。人生には、一生懸命頑張っても思い通りにいかないことが、たくさんあります。努力した分だけの成功が約束されるわけでもありません。しかし、それでも、頑張らないとチャンスはやってきません。そして、今回のように、誰かの頑張る姿が人の心を動かして、決まっていた予定が変わることもあるのです。

 せっかく実現した学校行事ですから、どうか、事故のないように、いのちと、時間と、決まりを大切にしながら、楽しんでください。今日の「翔羽祭」で、皆さんが楽しく取り組む姿が、いろいろな人の心を動かすものとなりますよう、とりわけ、皆さん一人ひとりが感動する思い出となりますよう、祈っています。

 最後に、この日のために、さまざまな工夫をして頑張ってきた、体育委員をはじめとする生徒の皆さんや、先生方に対して、校長としての大きな喜びを感じつつ、心からの感謝を申し上げて、挨拶といたします。

避難訓練における校長講話(令和5年10月19日)

 皆さん、おはようございます。

 本日は、羽生消防署から署長様をはじめ3名、警防課から課長様をはじめ2名、計5名の方に来ていただきました。お忙しい中、皆さんのために御指導をいただきます。改めて御礼申し上げます。ありがとうございます。

 さて、これから生徒の皆さんに、避難訓練の目的、迅速な避難、点呼、この3つのことについて、お話しします。昨年話した内容と重なりますが、よく聞いてください。

 この避難訓練は、地震や火事などの災害が起きたとき、皆さんの大切な「いのち」を守ることができるようにすることを目的としています。まさかのとき、どうすればよいのか。実際に体を動かしておくのは、とても重要なことです。人間は、初めて体験するできごとについて、うまく対処できないことが多いものです。しかし、シミュレーションやリハーサルを行うことで、それを補うことができます。

 今日はどうでしたか? 実際に動いてみないとわからないことは山ほどあります。廊下や階段で邪魔になるものはなかったでしょうか。また、移動するときの経路や消火器の場所などに不備は無かったでしょうか。なめてかかると命を落とすのが災害です。「備えあれば憂いなし」と言いますが、避難訓練は、まさに、災害に対する備えを身に付け、自分の命を守ることを目的としています。この後、起震車による体験もあります。こうした機会を生かしてください。

 次に、迅速な避難の大切さについて話します。先ほど、避難を促す放送が流れてから、点呼終了までに、約4分30秒かかりました。なかなか良い結果だったと思いますが、実は、昨年は3分50秒だったので、少し遅くなっています。1秒遅れることが命取りになるかもしれません。逆に、あわてて階段などで人を押してしまい、大怪我をする人や亡くなる人が出てしまったというニュースも耳にします。皆さん、うまくバランスをとって行動できるようにしましょう。

 3つ目は、点呼についてです。皆さんの点呼の状況はどうだったでしょうか。万が一、いるはずの人数に足りなければ、いち早く消防署の方にも報告しなければなりません。

 誰かが黙って学校を抜け出してしまっていて、「いるはずの人が見当たらない」ということで、心配して探しに戻って被害に遭う人がいたら、どうでしょう。また、遅れて登校してきたのに報告がなく、いないことになっている場合、逃げ遅れていても誰も気がつかない。そんなことがあったらどうでしょうか。

 そう考えると、毎日学校に来ることがそれほど得意でない人が多い私たちの学校では、点呼は、ものすごく大切なことなのです。うるさいと思うこともあるでしょうが、先生方が出欠確認をするのには、このように大事な理由があります。どうか、普段から、欠席や遅刻をするときの連絡、遅れて登校したときの報告、それらのきまりを大切にしてください。

 今日は、「大切な命を守る」という避難訓練の目的、迅速な避難が必要だという「時間の大切さ」、出欠について連絡・報告をするという「きまりの大切さ」、これを踏まえて、お話をしました。この後の、消防署の皆様からの指導講評をよく聴いて、今後に生かしてください。

第55回 勾玉祭(文化祭)オープニング 校長挨拶 (令和5年10月14日)

 おはようございます。

 今朝、私が学校に来るとき、歩いて校門をくぐったところで、「おはようございます!」と大きな良い声で挨拶してくれた人がいました。とても嬉しくて、爽やかな気持ちになりました。羽生高校のことが、ますます好きになりました。

 さて、いよいよ勾玉祭の当日を迎えました。今年のテーマ、「羽高グラデーション! 十人十色で彩る勾玉祭!」という言葉そのままに、それぞれの皆さんが工夫を凝らして準備してきた取り組みを見るのが楽しみです。

 生徒会の皆さん、実行委員の皆さん、それぞれの催し物を準備してきた生徒の皆さん、指導してくださった先生方、御協力をいただいたPTA・後援会の皆様、そのほか関係の皆様すべてに向けて、心から御礼申し上げます。

 皆さん、今日の一般公開では、昨年よりももっとたくさんのお客様が本校を訪れます。どうか、皆さんの素敵な挨拶で、今朝の私のように、嬉しい気持ちになる人を、羽生高校が好きになる人を、増やしていってほしいと思います。

 私は、今日のパンフレットに書いた挨拶で「待つのが祭」という言葉を紹介しました。祭では、一生懸命準備した人ほど、忘れられない思い出を得られるものです。今日まで頑張って準備してくれた人たちが、心の底から楽しかったと思える日になるよう祈っています。

 そしてまた、その楽しい気持ちは、広がっていきます。

 皆さんの先輩たちが大切にしてきた学校行事の取り組みを、今日、皆さんが受け継いでくれました。これを、皆さんの後輩たちが、皆さんの思いを受け止め、さらに羽生高校を良い場所にしていく。そんな未来に、つなげましょう。

 昨年も同じことを言いましたが、皆さんのすることは、いつでも、何でも、過去と現在と未来の命につながっています。過去と現在と未来がつながる、勾玉祭の新しい1ページを、皆さんが作ります。素敵な勾玉祭にしましょう。

勾玉祭(文化祭)パンフレット  校長挨拶

   勾玉祭に寄せて

 第55回を迎えますが、「勾玉祭」とは良い名前ですね!

 文化祭は高校生活最大級の行事です。ポスター・パンフレットの表紙となる作品を選んだり、素敵なデザインのTシャツを注文したりしながら、気持ちの高まりを感じていたのは、私だけではないでしょう。

 さて、「待つのが祭」という言葉があります。祭とは楽しいものですが、始まると、あっという間に終わってしまう。だから、準備しながら待っている間の楽しさの方が、当日の楽しさよりも大きい、といった意味の言葉です。

 私は、この勾玉祭の当日の催しをすべての人に思いっきり楽しんでほしいと願っていますが、それと同じくらい、準備を頑張ってきた人たちに「待つのが祭」という喜びを味わってもらいたいと願っています。今回のテーマのように、祭の楽しみ方は十人十色、人それぞれですが、その一つひとつが、お互いを尊重したものであること、皆さん自身の成長につながるものであること、良い思い出となるものであることを祈っています。

 最後に、頑張った生徒の皆さん、御協力いただいたPTA・後援会の皆様、指導してくださった先生方をはじめ関係の皆様すべてに御礼を申し上げて、挨拶といたします。

 

前期終業式 校長講話(令和5年9月29日)

 皆さん、おはようございます(こんばんは)。

 今日は、生活体験作文で本校代表となった皆さんへの表彰がありました。今月初めの全校集会でも多くの表彰がありましたが、さまざまなことで羽生高校の生徒の皆さんが頑張っているのは、本当に素晴らしいことです。また、生徒会の皆さんをはじめ、各クラスや部活動、有志の皆さんが、勾玉祭に向けて、それぞれの企画に取り組んでいます。そうした皆さんの姿を見ることができるのも、とても嬉しいことです。

 さて、本校は2学期制ですから、今日で前期が終わります。通知表が渡されます。結果が良かった人も、思うような成績が取れなかった人も、その原因を考えてみてください。成績の数字だけ見て終わりにしないでください。振り返って、なぜ良かったのか、なぜ悪かったのか、考えてください。

 人間は完璧ではありませんから、うまくいかないことは誰にでも山ほどあります。うまくいかなかったとき、何が悪かったのか、どこに問題があったのか、どうすればよかったのか、それを考えた人は、次に同じ間違いをしません。逆に、うまくいったときに何が良かったのかを考えなかった人は、次に同じようなことに取り組んだとき、成功する率は5分5分になるでしょう。

 前にも話したことがありますが、人間が何かを成功させようとするときの一番の近道は、良いところを伸ばすことと悪いところを直すことです。しかし、ものごとによっては、失敗をしないと、どこが悪いのかがわかりません。

 そう考えると、人間が何かを成功させるためには、ときには、失敗を経験しないといけないのかもしれません。「失敗は成功の母」という言葉がありますが、それどころではないですね。失敗は、成功の必要条件とさえ言えるでしょう。

 だから、皆さん。失敗したことで自分を責めなくていいんです。それよりも、なぜ失敗したのか、ちゃんと考えることの方がずっと大切です。取り返しのつかない間違いは、そうはありません。失敗の経験の多くは、次にうまくやるためのヒントをもらったようなものです。同じ失敗を繰り返さないよう、色々なことを、ちゃんと考えましょう。それは、失敗を成功に変えることにつながります。

 ただ、人間は、死んでしまうと失敗を成功につなげるチャンスを失ってしまいます。だからこそ、いのちは何より大切なのです。

 私が、こういう機会があるたびに「いのち」と「時間」と「決まり」の三つを大切にしてくださいと呼びかけている背景には、そんな理由もあります。限られた時間は、限られたいのちということですし、ルールやマナーやエチケットは、お互いのいのちを尊重するための仕組みのひとつです。どうか大切にしてください。

 そして、大切にするというのは、よく考えるということでもあります。どうぞ、よく考えてください。

 しかし、自分ひとりで考えていても、あるいは自分のことだけ考えていても、考えが狭いままになってしまいます。自分にできることで誰かを助けたり、誰かを手伝ったりすることで、自分の世界が広がります。自分の考えが広がります。試してみてください。

 誰かを助けたり手伝ったりするのが難しいなあ、という人は、出会った人に挨拶をしてみましょう。そうすると、ほんの少しだけ、挨拶した相手のことを考えられるようになります。

 自分の考えだけでは足りないときのために、友だちがいます。本があります。先生方がいます。ほかの大人たちがいます。困ったときは誰かに相談しましょう。助けを求めましょう。考えが広がり、考えが深くなります。考えの幅を広げてから、また考えてみましょう。

 終業式は、ひとつの節目です。何かを考えるきっかけにするには、良いかもしれません。何かを考えた人は、考えた分だけ少し成長します。何かをきちんと考えると、考えた分だけ、今年度の後半が良い日々になると思います。どうぞ、考えを深める時間を作ってください。

夏季休業明けの全校集会 校長講話(令和5年9月1日)

 改めまして、皆さん、おはようございます(こんばんは)。皆さんの元気な姿を見ることができて、たいへん嬉しく思っています。

 私はいつも、こういう機会に、「いのち」と「時間」と「決まり」の3つを大切にしてくださいということを、繰り返し話しています。

 さきほど、全国大会で活躍したソフトテニス部の皆さんの表彰や、書道部の皆さんの表彰が紹介されました。また、基礎学力向上補習の皆勤賞の表彰もありました。そして、表彰されてはいませんが、剣道部で全国大会の運営の役員を務めた人や、暑い中、毎日のように勾玉祭の準備に取り組んでいた生徒会の皆さんもいます。みんな、この夏休み中に自分の命をより良く使い、自分の命を成長させることができた人たちです。

 私は、いつのまにか今年60歳になりましたが、今、幸せを感じることのひとつは、若い人が成長する姿を見ることです。皆さんが自分の命を大切にして、自分の命の力を伸ばしていくのを見られるのは、私にとっても、また、ほかの大人にとっても、素敵なことだと思います。

 夏休み前の全校集会で、私は「ひとりの努力が、多くの人を幸せにすることがある」という話をしましたが、皆さんが目の前のことに一生懸命頑張っている姿は、皆さんが自分で感じているよりも、おそらく、ずっと素敵なものだと私は思っています。その努力自体が、今という時間を大切にすることにつながっています。

 話は変わりますが、今日は皆さんに「シェイクアウト訓練」をやってもらいました。(このあと、やってもらいます。)今日は、関東大震災からちょうど100年目にあたります。私の祖父は、そのとき教員をやっていたのですが、子どもたちと一緒に教室の窓から外に出て、近くの竹藪に逃げたという思い出を語ったことがありました。まわりの皆が無事でよかったと思ったそうですが、そのころ、関東を中心に多くの犠牲者が出ていたのも事実です。たくさんの命が失われた悲しい事実から、私たちは多くのことを学び、生かしていかなければなりません。これも、命を大切にすることのひとつです。

 長い休みは終わりましたが、これからの生活も、「いのち」と「時間」と「決まり」の3つを大切にして過ごしてほしいと願っています。

 さて、もう一つ。夏休み前の全校集会で、私は「この夏休みに、誰かを助けるような手伝いをしましょう。そしてまた、読書をしましょう。」と皆さんに呼びかけました。

 どうでしたか?どんな小さなことでも、誰かの助けになるようなことができましたか? 逆に、本当に困ったときに、きちんと誰かに「助けて」ということができましたか?どちらも大事なことです。

 今、生きている人でなくても、ずっと昔の人が書いた本の中にある言葉が、自分の心を救ってくれることがあります。そんな本を読むことができたらいいですね。夏休みは終わりましたが、ひとりでも多くの人に良い本との出会いがあるよう、願っています。

 それでは、今日からまた始まる学校での日々が、皆さんにとって良いものであるよう祈りつつ、校長講話といたします。

夏季休業直前の全校集会 校長講話(令和5年7月27日)

 改めまして、皆さん、おはようございます(こんばんは)。

 先ほど(今朝、昼間部の全校集会で)、ソフトテニス部の皆さんに対する壮行会がありました。その前にあった表彰では、硬筆展関連で3名の生徒の皆さんが表彰を受けました。

 一昨年は、ソフトテニス部、陸上部、剣道部の選手の皆さんが全国大会で活躍しました。昨年度は、美術部や書道部の皆さんが、それぞれ素晴らしい賞をいただきました。

 羽生高校の素晴らしいところは、運動部・文化部の区別なく、いろいろな分野で頑張る人が現れること。そして、そういう頑張る人を指導して、一緒に成長することを実現させてくれる先生方がいらっしゃることだと、私は考えています。

 また、生徒会活動や各種委員会活動などもそうですが、対外試合などのない部活動やボランティア活動のような「勝ち負けや順位などに関係のないところ」でも一所懸命頑張って、自分の力を尽くしている生徒の皆さんがいます。これが羽生高校の雰囲気を良くしてくれている大きな理由のひとつだと、私は思っています。

 このように、ひとりの頑張りが、周りの皆を、いつのまにか幸せにしてくれることがあります。

 

 さて、皆さんにこういう場面で話をするとき、私はいつも、「いのち」と「時間」と「決まり」を大切にしてほしい、ということを言っています。

 まず、最も大切な、一人ひとりの「いのち」について話します。

 勉強でも運動でも趣味でも、何かを通じて自分を成長させることは、皆さん自身の「いのち」をより良く使うことになります。しかし、成長した自分がどのように変化するかは、前もってわかることではありません。成長したら何をどう感じるようになるのかも、誰にもわかりません。だから、価値がわからないことや、どうなるかわからないことを、無駄だと決めつけたり、努力する人を馬鹿にしたりしては、絶対にいけないのです。どうか、これからどのように成長するかわからない自分の「いのち」も、他人の「いのち」も、両方とも大切にしてください。

 また、同じように、高校生として過ごしている、限られた「時間」を大切にしてください。その大切な時間は、自分をより良く成長させるために使ってほしいと思います。

 そして、「決まり」を大切にしてください。いつも言うように、ルールやマナーなど、すべての決まりごとには、それが決められた理由があります。決まりを破ることは、決して格好いいことではありません。決まりを破ることは、誰かを傷つけることや、自分が傷つくことにつながります。決まりを大切にして、考えて行動するようにしましょう。

 

 最後に、毎年言っていますが、夏休みにしてほしいことについて話します。

 家の手伝いでも何でも、どんな小さなことでもいいのです。誰かを助けるような、良いことをしましょう。そして、もう一つ。本を読みましょう。

 3年ほど前に出た本でしたか、「ぼく モグラ キツネ 馬」という題名の絵本があります。男の子が、馬やキツネやモグラと会話しながら旅をするお話ですが、そのやりとりの中で、男の子の質問に対して、馬が答える場面があります。

 「 “いままでにあなたがいったなかで、いちばんゆうかんなことばは?”

  ぼくがたずねると、馬はこたえた。

   “たすけて” 」

 馬は、一番勇敢なのは、「たすけて」という言葉だと答えます。そして、次のようにも言うのです。

 「たすけをもとめることは、あきらめるのとはちがう」

 「あきらめないために、そうするんだ」

と続けます。

 皆さん。あなたが誰かをたすけることが、こういうことにつながるのだと考えると、素敵だとは思いませんか。そして、こういう言葉との出会いが、読書にはあります。

 

 今日は、「ひとりの努力が、多くの人を幸せにすることがある」という話と、「いのちと時間と決まりの3つを大切にしてほしい」という話と、「長い休みのうちに、誰かを助けるような手伝いをしましょう。そしてまた、読書をしましょう。」という話、この3つについて、お話しをしました。

 9月1日に、また、皆さんの元気な顔を見られることを、楽しみにしています。

ソフトテニス部全国大会出場に向けての壮行会「激励の言葉」(令和5年7月27日)

 全国大会に出場する選手の皆さん、おめでとうございます。また、先ほどは、部活動を代表しての立派な挨拶を、ありがとうございました。全国大会では、自分たちの力を十分に発揮し、大きな舞台での体験を楽しんできてもらいたいと思います。

 この素晴らしい成果は、選手の皆さん一人ひとりの努力と先生方の御指導によるものです。しかし、先ほど選手自身の挨拶の中にあった言葉のように、多くの人の支えや助けもあったことでしょう。

 本校には、色々な部活動や、生徒会活動などで頑張っている人が、たくさんいます。そうした多くの生徒の皆さんの代表として全国大会に出場する皆さんです。羽生高校の名前を背負って、本校の皆さんの応援を感じてもらえればありがたいと思っています。

 全国大会が、選手の皆さんにとって良い思い出になる、幸せな3日間となるよう、御活躍を祈っています。

修学旅行直前指導 引率責任者挨拶(令和5年6月6日) 

 皆さん、こんにちは。

 良い挨拶が返ってきて、気持ちがいいです。皆さんの素晴らしいところですね。

 いよいよ、明日から修学旅行です。皆さんの心も期待に満ちているのではないかと思います。気持ちが浮ついてしまっているかな、と、少し心配していましたが、今の落ち着いた様子を見て安心しました。こういうときに静かに集中して話を聞くことができるのは、皆さんの、もう一つの素晴らしいところです。

 さて、時間を少しいただいて、旅に関係するお話をします。

 今は令和5年ですが、令和という元号のもとになった、梅の花をお題にして歌を詠む宴を開いたのは、奈良時代の大伴旅人という人です。奈良の都から、遠く北九州の太宰府というところの長官を任されて働いていましたが、そこで、愛する妻が亡くなってしまいます。その悲しみをテーマにした多くの歌があるのですが、それと一緒に、山上憶良という人が、悲しみに沈む大伴旅人のそばで、旅人のつらい心を代わりに歌にしてあげた作品が残っています。その歌を紹介します。

 「くやしかも かくしらませば あをによし くぬちことごと みせましものを」

 (悔しいなあ。こんなことになるとわかっていたら、妻と一緒に旅をして、国中ことごとく全部見せてあげたのに。死んだ今となっては、何もしてあげることができない。悔しいなあ。)

 というような意味です。

 「悔しかも 斯く知らませば 青丹良し 国内ことごと 見せましものを」

 奈良時代は、便利な乗り物もないし、綺麗なホテルもありません。今の私たちには想像もできないほど、旅はつらいものだったはずです。しかし、それでもやはり、愛する人を色々なところに連れて行って、素敵なものをたくさん見せてあげたかったなあ、と思う心は、今の私たちと変わらないと、私は思います。

 旅というものを通じて、今まで知らなかったものを知る。初めてのものを見たり、聞いたり、食べたり、話したり、触れたりする。それは、大きな喜びです。

 旅の中で、友達の、今まで知らなかった意外な一面を知ったり、今まであまり仲良くなかった人の、とても素敵なところを発見したりする。これも、大きな楽しみです。

 今の世の中は、テレビやインターネットなどを通じて「わかったつもり」になってしまうことが多いのですが、かえって、そんな世の中だからこそ、実際にそこに行くことや、その人に会うこと、本物を見ることは、素晴らしく貴重な体験になります。

 皆さんにとって、明日からの修学旅行が、そうした貴重な体験になることを願っています。

 そして、帰ってきてから、その貴重な体験を振り返って、自分なりに考えてみることによって、自分を成長させたり、その体験を今後の人生に生かしたりすることができるものにしてもらえたらいいなあ、と、願っています。

 その願いを皆さんへのメッセージとして、挨拶といたします。

第53回入学式 式辞(令和5年4月10日)

 今年は例年よりも早く、さまざまな花が咲いています。羽生市の花である藤も、美しい紫色の房を、そこここで見かけるようになりました。このような佳き日に令和5年度埼玉県立羽生高等学校第53回入学式を挙行できますことを、校長として心から嬉しく思います。ここにお集まりの皆様をはじめ、御尽力いただいたすべての方々に、心からの感謝を申し上げます。

 さて、先ほど呼名された70名に入学を許可いたしました。新入生の皆さん、入学おめでとうございます。義務教育と違って、自分の意思で高校への進学を選び入試に挑戦した結果、皆さんはここにいます。不安や迷いを乗り越えた自分に誇りを持ってください。これからは、羽生高校の生徒として一緒に学んでいきます。私たちは、皆さんを歓迎します。皆さんのこれからの努力を、応援します。

 また、新入生の皆さんを育て、支えてくださった保護者の皆様、おめでとうございます。そして、この場にはいない、新入生を今まで見守り、助け、応援してきてくださった多くの方々にも、心よりお祝いを申し上げます。

 本校は今年で創立76年目を迎えます。多くの卒業生が、ここで学んだことや体験したことを生かして、社会のあらゆる分野で活躍し、世の中を支えています。在学中の先輩の中にも、さまざまな困難を乗り越えて、ここで素晴らしい高校生活を送っている人が大勢います。新入生の皆さんも、羽生高校での学習と生活を、自分の成長のために生かしていってください。

 それでは皆さんに、これから大切にしてもらいたいもの、守ってもらいたいものについて、3つお話をします。

 一つ目は、いのち。人の命です。皆さんも、私も、大切な「命」を持っています。どんな人にも、命はひとつしかありません。平等です。この最も大切な宝は、何があっても守らなければなりません。自分の命を大事にする、ということは、自分の人生を大切にして、自分を成長させるということです。自分の命をより良く使うということにつながります。

 そして、他人の命も大事にしてください。誰かをいじめたり、誰かが頑張って成長しようとしているのを邪魔したり、何かに真剣に取り組んでいる人をからかったりするのは、他人の命を粗末にすることです。そんな人は、自分自身のことも大切にはできません。命の価値は平等ですから、どうか、自分の命も他人の命も大切にしてください。

 さて、大切にしてもらいたい二つ目のものは、時間です。どんなに立派な人の時間も、そうでない人の時間も、同じように過ぎていきます。その、誰にでも平等に与えられた時間を大切にしてください。授業でも部活動でもいい、そのときに取り組んでいる、目の前のやるべきことを大切にすることが、時間を大切にすることにつながります。

 三つ目は、決まりです。決まりごとを大切にしてください。すべての決まりには、必ず理由があります。その決まりを守ると便利になったり、得をしたりします。あるいは、その決まりを守ると誰かを傷つけずに済んだり、自分が傷つかずに済んだりします。

 若い頃には、決まりを破ることが格好良く見えてしまうことがあります。しかし、それは錯覚です。なぜ、その決まりがあるのか、理由を考えるようにしてください。もしも、その決まりがあるため、かえって不便な人や傷つく人を増やしてしまっているのなら、正しい手続きで決まりを変えましょう。決まりを破ったり壊したりする力ではなくて、誰かと協力してもっと良い決まりをつくる力、決まりをより良く変える力を手に入れましょう。そんな力を養いましょう。

 命と、時間と、決まりを大切にしてください。これが、守ってほしい3つのことです。

 さて、保護者の皆様。本校は単位制という、生徒一人ひとりの希望や生活のリズムに合わせることのできる柔軟な教育システムをとっています。しかし、これは大きな自由がある反面、大きな責任を自分自身で負わなければならないシステムでもあります。卒業するためには、自分自身をしっかり管理できることが必要です。保護者の皆様、どうか、本校の教育方針について御理解いただき、お子様の健やかな成長と卒業を実現するために、学校と連携しながらの御協力を賜りますよう、お願いいたします。我々教職員も、全力で生徒の皆さんの努力を支援いたします。

 最後に、入学生の皆さん、どうか、保護者の皆様をはじめとする、皆さんが高校で学ぶことができるように道を拓いてくれた人達に感謝の気持ちを持てるようになってください。そして、今度は皆さんが、どんな小さなことでも良いですから、誰かのために道を拓いてあげられるような力を、この羽生高校で身につけて卒業してください。皆さんが実りある高校生活を送り、大きく成長することを祈念し、式辞といたします。

令和5年度前期始業式 校長講話(令和5年4月10日)

 皆さん、おはようございます(こんばんは)。本校の校長として3年目を迎えます。皆さんと一緒に過ごせること、皆さんの成長する姿を見られることを、たいへん嬉しく思っています。

 令和5年度が始まりました。始まりの日に1年後のことを考えるのは変だなあと思う人もいるかもしれませんが、皆さん、ちょっと、1年後の自分のことを想像してみてください。こうなればいいなあという、自分の姿を思い浮かべてください。皆さんはどんなふうに成長していますか?

 今、皆さんが思い浮かべた「成長した自分の姿」に近づくため、ぜひ、何か目標を立ててください。そして、目標を立てるだけではなく、目標に近づくために、何をすればいいかを、考えてみてください。そして、それを実行するための方法についても、工夫してみてください。

 とてつもなくすごいこと、夢みたいな大きいことを実現した人たちは、皆、とてもささやかなことや、たいへん小さなことを、少しずつでも、ずうっと積み上げてきた人ばかりです。

 お店で買い物をするわけではありませんから、これだけ努力したから、努力した分だけ必ず成功する、ということはありません。しかし、成功した人は皆、努力をしています。成功するために、具体的な行動をしています。そして、努力したら成功があると約束することはできませんが、これだけは約束できます。人は、努力した分だけ成長します。

  学校は、わからなかったことが、わかるようになる場所です。できなかったことが、できるようになる場所です。今までつながっていなかった人や知識や物事が、つながるようになる場所です。だから、今は、わからなくてもいい。できなくてもいい。それは恥ずかしいことではありません。もちろん、間違ってもいい。しかし、わからないままで平気でいるのは、できないままで平気でいるのは、恥ずかしいことです。同じように、何かを間違ったままにしておくのも、いけません。

 皆さんが小さい頃、ディズニーの映画で「ありのままの」という歌が流行りましたね。ありのままの自分でいられるのは素晴らしいことですが、それは、決して「今のままの自分でいい」ということではないと思います。 

 さて、私はこういう集会で、いつも「いのちと、時間と、きまりを、大切にしましょう」と呼びかけています。今年度も変わりません。「なりたい自分になる」という目標を実現することは、自分自身のいのちを成長させることです。校訓にあるように「自立」し「飛翔」するということは、目標を実現するために時間を大切にして取り組み、自分のいのちを成長させ、輝かせることにつながります。

 また、頑張る自分を助け、励まし、支えてくれるのが、人と人とのつながりです。それが校訓にある「友愛」です。人と人とのつながりですから、ルールやマナーなどのきまりごとが大切になってきます。また、人間は他人から助けてもらうだけ、励ましてもらうだけ、支えてもらうだけでは満足しません。皆さんには、お互いに助け合ったり、励まし合ったり、支え合ったりできるような力を身につけてほしいと思います。そのためにも、この1年間の目標を立てて、いのちと、時間と、きまりを大切にして、生活してほしいと願っています。

 今日の午後、新入生が入学してきます(きました)。皆さんが良い先輩として成長する姿を、後輩たちにも見せてあげてほしい。そう思っています。以上、始業式における校長講話といたします。

後期終業式 校長講話(令和5年3月22日)

 皆さん、おはようございます(こんばんは)。

 後期の終業式を迎えました。昨年のこの場でも言いましたが、皆さんにとってのこの1年が、どんな小さなことでもいい、自分が成長したと思えるような、何らかの努力が実を結んだと思えるようなものであることを祈っています。

 3月10日に行われた卒業式には、数年ぶりに在校生の皆さんにも参加してもらいました。「国歌」「校歌」「旅立ちの日に」などを自分たちの声で歌って、卒業生を送り出すことができました。たいへん嬉しく思います。卒業生の皆さんは、きっと、羽生高校での日々によって成長した自分自身に、しっかりとした手応えを感じつつ、巣立って行ってくれたことと思います。

 さて、生徒会の皆さんが作ってくれた「翔」という冊子があります。皆さんに配られるものですが、この中に、私の思いも書かせてもらいました。読んでもらえるとありがたいです。そこにも少し書きましたが、学校は、「わからなかったことが、わかるようになるところ」、「できなかったことが、できるようになるところ」、「今までつながっていなかった人や知識や物事が、つながるようになるところ」です。

 人が何かを学び成長すること、より良い自分に変わっていくということは、素晴らしいことです。成長すると人は変わります。成長する前の、変わる前の自分とは、ものの感じ方も考え方も変わっていきます。

 成長して変わる前の自分にとって大切でなかったことが、変わったあとの成長した自分にとって、とても大切なものになっていることは、よくあります。変わる前の自分には、成長して変わった後の未来の自分が、ものごとをどのように感じるかは、わかりません。しかし、今、皆さんがやろうとしていること、やらねばならないことなどに対して、どのように取り組むのかを任されているのは、今ここにいる皆さん自身です。

 どうか、1年後の自分、2年後の自分、あるいは5年後、10年後の未来の自分から、「あのとき、あんなふうに行動してくれて、ありがとう!」と言ってもらえるように、今、ここでの日々を大切に過ごしてほしいと願っています。

 

 このような集会で、私は皆さんに対して、「命を大切にしましょう」、「時間を大切にしましょう」、「きまりを大切にしましょう」という話を続けてきました。今日も、これからも、変わりません。

 卒業した先輩たちは、自分の命をより良く成長させるような生活を送って、巣立って行きました。それは、高校生としての時間を大切にしてきた、ということです。そして、まわりの人と一緒に成長してくる中で、お互いを大切にするために、ルールやマナーなどの、さまざまなきまりを大切にしてきた、ということでもあります。そんな先輩方に続いてください。

 さあ、長い休みに入る前には、いつも言っていますが、本を読みましょう。家の手伝いをしましょう。本は、自分の世界を広げてくれます。手伝いなどを通じて誰かの役に立つことは、自分の成長を感じる第一歩となります。

 そして、挨拶をしましょう。挨拶は、人と人との心を近づけ、心を開いてくれるきっかけになります。

 繰り返しになりますが、今年度の一年間が、皆さんにとっての成長につながるものであったことを祈りつつ、来年度の、これからの一年間が、さらに実を結ぶものとなることを願っております。休み明け、4月10日の始業式に、皆さんの元気な顔を見せてください。

 

第53回卒業証書授与式 式辞(令和5年3月10日)

   式辞

  暖かい春の光の中、桜のつぼみも膨らんでいます。校庭の木の枝の上には、埼玉県の鳥であるシラコバトが可愛らしい鳴き声を聞かせてくれています。今日の佳き日、PTA会長 上野 貴博 様を御来賓としてお迎えし、保護者の皆様にも御臨席いただき、埼玉県立羽生高等学校第53回卒業証書授与式を挙行できますことは、大きな慶びでございます。

 本日、本校を巣立っていく59名の卒業生の皆さん、おめでとうございます。そして、本校の教育活動に多くの御支援と御協力をお寄せくださった保護者の皆様にも、御礼と共に心からのお祝いを申し上げます。

 卒業生の皆さんは、校訓の三つの言葉どおり、年齢や、生まれ育った場所や、それぞれのアイデンティティーなどの違いを超えて、互いに「友愛」を育み、高校生活を通じて「自立」の力を養って、今日、巣立ち「飛翔」していく日を迎えました。

 卒業後、皆さんが新しい世界に挑戦していくにあたっては、多くの不安や、避け難い困難もあることでしょう。しかし、皆さんは羽生高校の生活の中で、それを乗り越えるための学びに取り組み、力をつけてきました。皆さんは成長しました。自分を信じて進んでいってください。

 さて、成長というものについて、ひとつ話をします。2~3歳くらいの子どもを小さい公園の砂場に連れて行って、「好きなだけ遊んでいいよ」と言うと、どうでしょう。おそらく喜びます。しかし、高校生相手に同じことを言ったら、きっと怒るでしょう。なぜなら、もう砂場の遊びでは満足できないほど成長したのですから。

 人は、成長すると、今までつまらないと思っていたことを面白く感じるようになったり、今まで気にしていなかったことに不満を感じたりします。それらの逆のこともあります。

 これからの生活の中で、皆さんも、頑張って願いが叶ったのに不満を抱くことがあるかもしれません。希望する道へ進んだのにつまらなく感じることがあるかもしれません。しかし、ひょっとしたら、その不満は皆さんが成長している証かもしれません。向上心を持っている証拠かもしれません。もしそうだったら、自分を成長させるために、具体的な努力をしましょう。その状況をより良くするための方法を、考えましょう。まわりの他人は変わってくれなくても、自分自身は、自分の努力次第でいくらでも変えることができます。

 そんなことを言われても難しい、と思う人は、思い出してください。皆さんは既にそういう体験をしています。新型コロナウイルス感染拡大防止のために、多くの学校行事が中止となったり制限されたりする中で、皆さんは、色々な楽しめる工夫をして、さまざまな行事を盛り上げ、たくさんの素晴らしい思い出を作ってくれました。それは、後輩への良き手本にもなりました。私たち教員の心にも、感動を与えてくれました。皆さんは、胸を張って誇って良いと思います。本校校長として、たいへん嬉しく思っています。

 今まで、全校集会などで私はいつも皆さんに「命と時間ときまりを大切にしましょう」と呼びかけてきました。卒業しても、その大切さは変わりませんが、今日は別の言葉を贈りたいと思います。

 皆さん、どうか、先生よりも、保護者の皆さんよりも、賢く、心豊かに、幸せになってください。それは、私たちにとっての希望であり、皆さんにとっての権利であり、皆さんが、皆さんの子どもたちの世代に対して負う義務でもあります。

 整いませんが、この言葉を、皆さんへの餞といたします。

 結びに、本校を巣立つ皆さんの今後の活躍と、御臨席の皆様や、卒業生を支えてくださったすべての皆様の、御健勝と御多幸をお祈り申し上げて、式辞といたします。

   令和5年3月10日   

             埼玉県立羽生高等学校長  新井 康之 

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